相続人の中に行方不明者がいる場合の遺産分割 その2

前回、相続人の中に行方不明者がいる事件についてご紹介しましたが、住所地は分からないし教えてもくれないが、携帯電話などで連絡が取れるという場合もあります。

一人の相続人が相続財産を独り占めしようとしたり、相続人間のケンカで連絡が途絶えている場合などによくあります。

この場合、全く生死不明というわけではありませんので、裁判所は原則として不在者財産管理人を選任してくれません。

そこで、最後の住所地を住所地として遺産分割調停を申し立てることになります。もちろん現地調査は必要です。調停の期日に行方不明者が出廷しなければ、欠席のままでも審判に移行して、一応の結論を出すことができます。

私が担当した事件では、欠席のまま審判に移行した結果、預金については各自の法定相続分で払戻しをしましたが、不動産については共有、株式については法定相続分に応じて分割、という形で一応の決着となりました。