ネットでの誹謗中傷被害(お店の悪評)その2
次に、記事の削除請求についてです。
これもGoogleを相手として保全を申し立てたのですが、この管轄は被害者の住所地の裁判所ですので、開示請求よりはやりやすいです。また、開示請求のように時間的にタイトなわけでないので、その点でもやりやすいです。(早く削除してほしい、という意味では時間的にタイトですが。)
しかし、請求は簡単には認められません。記事の削除は記事そのものを抹消するため、投稿者の開示よりも表現の自由に対する慎重な考慮を要します。
削除請求においても開示請求と同じく、投稿内容に真実性がないことの疎明を求められます。名誉棄損の違法性阻却のためには真実性の証明が必要ですが、この場合は逆になり、真実性がないことの疎明を求められるのです。
しかし、そもそも存在しない事実を疎明しろ、というのは疎明の程度を厳しくすればするほど、悪魔の証明に近づき、不可能を強いられることになります。逆に投稿者にとっても、自分の関与しないところで抹消されてしまうより、反論の機会を与えられるべきだと思います。
この意味でも、削除請求の前提として投稿者を速やかに開示して、投稿者に真実性の証明をさせることが双方にとって公平、公正だと思います。
また、真実性とは論点が異なりますが、先日の開示請求の記事で書いた歯科医師の事件では、抹消請求をしたが裁判所から「具体的な損害」を疎明するように求められたため、取り下げたとのことでした。しかし、本訴で結論が出るまでの間に損害が発生しないように保全申立てをしているのですから、「具体的損害」はこれから発生するのです。それを疎明しろ、というのは無理な要求だと思います。
匿名で書いた者勝ちで、多くの被害者が泣き寝入りせざるをえない現状は、Googleのようなサイト運営者や裁判所の考え方が変わらない限り改善しないと思います。

