‘債務整理’ カテゴリー一覧

家族にも知られずに債務整理できるのか

Q. 家族や会社に内緒で債務整理できるでしょうか

A.

  1. 弁護士が受任通知を送ると督促が止まりますので、どの手続でもとりあえず知られることは無くなります。
  2. 任意整理ではその後も弁護士が交渉し、書類のやりとりも弁護士に届きますので、ヤミ金を除き、知られることはまずありません。
  3. 民事再生や破産では、裁判所に申し立てる際に、世帯単位の家計収支表の提出が必要で、疎明資料として同居している人の給与明細や、電気、ガス、水道、電話の領収証(又は引落口座の通帳の写し)の提出を求められます。これらの資料を自分で準備できれば、同居の家族に知られずに手続を利用できます。
    しかし、経済的再生を図るためには家族の協力が必要な場合もありますので、家族とよく話し合ったほうが良いと思います。
  4. 会社に対しても、民事再生や破産をすることを説明する必要はありませんので、知られずに申し立てることは可能です。
    ただし、退職金見込額証明書又は退職金規定を提出する必要がありますので、上手く説明して入手する必要があります。
    また、会社からの借入がある場合、会社のみ債権者から除外することはできませんので、この場合は慎重な対応と対策が必要となります。
    もっとも、会社に知られたとしても辞める必要はありませんし、民事再生や破産を申し立てたことを理由に解雇されることもありません。
  5. 但し、民事再生や破産を申し立てると官報に掲載されますので、可能性が全くないとはいえませんが、実際に官報を見て発覚することはほとんどありません。

ブラックリストって?

Q. ブラックリストって何ですか?

A.

「ブラックリスト」というもの自体はありません。

金融機関が融資をする際に、顧客の返済能力や借金額を審査し、顧客の借金額などの情報を信用情報会社に持ち寄ります。そして、信用情報会社が各金融機関から持ち寄られた情報を管理するリストがあり、そこに現在の借入額の他、破産や延滞などの情報(事故情報)も記載されます。この事故情報がいわゆるブラックリストにあたります。

信用情報会社は複数あり、大まかには消費者金融系、銀行系、クレジットカード系、外資系などがあります。最近では、各信用情報機関の間で事故情報の交換をしていますので、消費者金融での延滞を理由に、クレジットカードの作成ができないこともあります。


過払い金とは

Q. 過払い金というのをよく聞くのですが、過払い金とは何ですか。

A. 利息制限法では借入残高に応じて利息の上限が設けられています。10万円未満で年利20%、10万円以上100万円未満で年利18%、100万円以上で年利15%です。

消費者金融などはこれを超える利息で貸し付けていたため、長期間にわたり返済を続けていた場合には、法律に従って再計算すると、借金の大幅な減額や、場合によっては既に完済しており、逆に払いすぎていることがあります。

これが過払い金です。

過払い金の有無については、業者から取引履歴を取り寄せ、利息制限法に基づいて再計算することで明らかになります。約定利率や取引期間、金額、借り入れのペースにもよりますが、上記の超過利率で5年以上取引していた場合は過払い金の有無を調査した方が良いと思われます。

完済までしていれば過払い金が発生している可能性はかなり高いと思われます。過払い金は最後の取引から10年で時効消滅してしまいます。

心当たりの方は弁護士にご相談下さい。


借金の整理の方法

出産、怪我、病気の入院により一時的に多額のお金が必要になったり、会社が倒産して生活費のために借金をしなければならなかったりする場合があります。その後、予定していた収入が無く、借金が積み重なったり、借りて返しての繰り返しで、借金の額がふくらんでいき、支払が困難となってしまうこともあります。

そのような場合に、債務(借金)整理の法的手段として主に以下の4種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、手続が難しいこともありますので、詳しくは弁護士にご相談ください。

弁護士に依頼すると、まずは債権者からの請求を止め、代わりに交渉窓口となって、債権者に対応します。それとともに、借金の状況を把握した上で、最良の方法を一緒に考えることができます。

 

①任意整理

裁判所による法的整理(次の②~④等)を使わず、債権者と交渉して、借金の返済条件の変更(返済期間、毎月の返済額、利息のカットなど)を行います。利息制限法で定める上限金利(15~20%)を越える金利で借りていた場合は、上限金利で債務額を再計算するなどして適正な債務額を確定してから、返済の計画を立てることとなります。

再計算の結果、利息を払いすぎていた場合(過払い)には、逆に過払い金の返還を請求することとなります。

 

②特定調停

簡易裁判所が、債務者と債権者との話し合いを仲裁して、返済条件の軽減等の合意が成立するよう取り持つ手続です。

 任意整理と同様に、利息制限法の上限金利による引き直し計算をして減額された元本をもとに分割して返済していくことになります。

 ただし、債権者の中には特定調停に対して協力的でない場合もあり、また、簡易裁判所ごとに調停基準に差があるため、調停成立までの期間の遅延損害金や調停成立後の利息(将来利息)を支払わなければならない場合もあります。

 

③民事再生(小規模個人再生など)

裁判所に申し立てることによって借金を大幅に減額する手続です。

住宅ローンについてだけ支払いを継続して、他の債務を大幅に減額することができますので、多額の返済により住宅ローンが支払えなくなっている場合でも、この手続きによって自宅を失わずに済む場合もあります。自己破産と異なり、自宅を失わずに済みますが、住宅ローンの他に、減額した借金を原則として3年で完済できる計画を立てて返済していくこととなります。

 

④自己破産

多額の負債を抱えて現在の収入や財産では返済が不可能となった場合には、できる限りの財産をお金に換えて債権者に平等に配当し、借金をした原因等を考慮して、裁判所によって借金を免除してもらう手続です。生活に必要不可欠な金銭や財産については、自由財産として処分しないで済む場合もあります。

自己破産と聞くと悪いイメージが先行してしまい、多大な不利益があるのではないかと思っていらっしゃる方もおられますが、そのようなことはありませんので、一度ご相談下さい。