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破産申立と破産手続開始決定について

Q. 破産申立と破産手続開始決定とは何ですか?

A.

破産申立書には、申立人に多額の借金があること、現在の財産や収入の状況、その状況では借金の返済ができないこと、破産に至った経緯などを記載して、疎明資料と一緒に提出します。

裁判所は、申立書と疎明資料から、返済できない(債務超過・支払不能)と判断した場合に破産手続開始決定を出します。
なお、裁判所は申立てを受けた段階で、免責不許可事由(7年以内の再度の申立て、浪費やギャンブルによる過大な借金など)がないかも審理しており、免責不許可となる可能性が高い場合には申立ての取り下げを打診されることもあります。

これは岡崎の裁判所でも同じで、弁護士は依頼者からの相談の段階で詳しく事情を聞いて、免責不許可となる可能性にも配慮しながら、破産か個人再生かをアドバイスします。


自己破産手続きの流れについて

Q. 自己破産手続きはどのような流れですか?

A.

基本的には、

①申立て

②破産手続開始決定

③管財人の選任

④管財人が破産者の財産を換価

⑤換価した金銭を各債権者に配当

⑥破産者の免責の流れ

となります。

換価できる財産が無く、免責にも問題が無さそうな場合には、③~⑤までの手続きは行われません(同時廃止)。

一般的な個人の破産では、ほとんどが同時廃止で終わります。

その場合、①②⑥の手続きのみが行われますが、②と⑥の前に審尋をする裁判所もあります。現在、岡崎支部では原則として審尋は行っておりません。

破産申立から免責決定の確定までには、同時廃止の場合で大体3~4か月かかります。管財人が付く場合で、換価に時間がかかる場合(売却に問題のある不動産があるなど)には、その分だけ時間がかかります。

弁護士に手続を依頼した場合には、①の前に、弁護士が債権者へ受任通知を出して、債務者本人への取立をストップさせ、返済も止めますので、⑥までの間、債権者からの請求や返済に悩まされるということはありません。

 


家族にも知られずに債務整理できるのか

Q. 家族や会社に内緒で債務整理できるでしょうか

A.

  1. 弁護士が受任通知を送ると督促が止まりますので、どの手続でもとりあえず知られることは無くなります。
  2. 任意整理ではその後も弁護士が交渉し、書類のやりとりも弁護士に届きますので、ヤミ金を除き、知られることはまずありません。
  3. 民事再生や破産では、裁判所に申し立てる際に、世帯単位の家計収支表の提出が必要で、疎明資料として同居している人の給与明細や、電気、ガス、水道、電話の領収証(又は引落口座の通帳の写し)の提出を求められます。これらの資料を自分で準備できれば、同居の家族に知られずに手続を利用できます。
    しかし、経済的再生を図るためには家族の協力が必要な場合もありますので、家族とよく話し合ったほうが良いと思います。
  4. 会社に対しても、民事再生や破産をすることを説明する必要はありませんので、知られずに申し立てることは可能です。
    ただし、退職金見込額証明書又は退職金規定を提出する必要がありますので、上手く説明して入手する必要があります。
    また、会社からの借入がある場合、会社のみ債権者から除外することはできませんので、この場合は慎重な対応と対策が必要となります。
    もっとも、会社に知られたとしても辞める必要はありませんし、民事再生や破産を申し立てたことを理由に解雇されることもありません。
  5. 但し、民事再生や破産を申し立てると官報に掲載されますので、可能性が全くないとはいえませんが、実際に官報を見て発覚することはほとんどありません。

民事再生の申立てについて

Q. 自分で申立てができますか?

A.

もちろん、本人でも申立てできます。

しかし、申立書類の作成や複雑な計算を伴う再生計画案の作成をしなければならないほか、本人で申立てをする場合には民事再生委員が選任されますので、再生委員の報酬として、申立ての際に予納金(15万~25万円)が別途必要になります。

弁護士から申立ての場合は、上記の複雑な手続は弁護士が行い、原則として再生委員の選任もされません。また、弁護士がすぐに債権者へ受任通知を出して、本人に対する取立てを止めます。ですので、弁護士を選任したほうが、精神的なことやあらゆる面で楽に進められます。